パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト ~本当のあなたは誰なの?~ [洋画]
「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」をDVDにて鑑賞。
難度の高い技法を駆使した曲を作曲し、超絶技巧と呼ばれるテクニックで観客を魅了したヴァイオリン奏者パガニーニを描いた作品。
以前に葉加瀬太郎さんがテレビでお話していた、パガニーニの逸話が印象に残っていて手に取りました。
確か、当時のパガニーニは今でいうロックスターのような感じで、派手なパフォーマンスでのライブを行い、失神するご婦人もいたとかそんなお話。(うろ覚えですが)
超絶技巧と言われるだけあって、ヴァイオリンに詳しくない私でも感嘆してしまうパガニーニの曲。
葉加瀬さんのお話もおもしろかったし、とりあえず入り口として映画でも見てみよう!ということで前から観たかった作品です。
結論から言うと、ストーリーは基本的にどうでもいいような。(あくまで個人的な感想です)
でもプロの奏者による演奏シーンは迫力たっぷりで一見の価値アリ!
だと思います。
パガニーニ役には欧米で絶大な人気を誇るという美貌のヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレット。
演奏シーンは全て彼が実際に演奏しています。
音楽を題材にした作品ではやはり演奏シーンは大きな見どころ。
特に超絶技巧は耳で聴くだけでなく、その卓越した指使いを目にすることでも技術の高さを実感することができます。
実際、デイヴィッド・ギャレットがその高い技術力でパガニーニの曲を見事に演奏するシーンはかなりの迫力があり、圧倒されました。
衝撃的なのは、作品の中で描かれたパガニーニの享楽的な生活。
肉欲にふけり、賭け事にハマり、お金の管理もできなければ約束も守らない。
賭けでは有り金をすべて使い果たし、ヴァイオリンを手放す始末。
公演のためにやってきたロンドンでは、彼の反道徳的な振る舞いに対して女性たちによるデモが行われるほど。
フォーマルな出で立ちの楽団員たちのなかで、肩より長い髪に黒っぽいロングコート姿で舞台に上がるパガニーニは明らかに異質です。
熱狂的なファンにもみくちゃにされたり、演奏中にご婦人が失神したりとまさにロックスターのよう。
デイヴィッド・ギャレットが美しく非常にセクシーなので、女性たちの反応にはものすごい説得力がありました。
葉加瀬さんが言っていたように劇中でも派手な演出を行うパガニーニ。
19世紀の人々にとって衝撃的な演奏家であったことは十分に想像できました。
映画を観賞後にパガニーニについて調べたところ、彼の作品はショパンやシューマンなど多くの作曲家に影響を与えたとのこと。
フランツ・リストも影響を受けた一人で、「僕はピアノのパガニーニになりたい」と語ったそう。
やはり超絶技巧で知られるフランツ・リストの有名な「ラ・カンパネラ」も、パガニーニの作品の編曲なのですね。
知らなかった。
もうひとつ観るべきは、ヒロインであるシャーロットを演じたアンドレア・デックです。
透き通るような白い肌。
若く可憐ながら、芯の通った強さを持つ彼女の美しさは輝かんばかりです。
今後もスクリーンで活躍することを期待します。
非常に難度の高いとされる技法を駆使したパガニーニの曲と、それを弾きこなした技術。
当時録音技術があったわけもなし、彼と同時代に生き彼の演奏を聴くことのできた人たちがうらやましいです。
しかし、現代にも素晴らしい奏者がたくさんいます。
彼らと同じ時代に生まれたことを感謝して、出来るだけその演奏に触れてみたいと改めて思いました。
この作品は、クラシックが好きな人、ヴァイオリンが好きな人、パガニーニに興味がある人、超絶技巧の迫力に圧倒されたい人、デイヴィッド・ギャレットの美しさに魅了されている人・魅了されてしまいたい人・・・にオススメします。
** 以下ネタバレします **
とにかく女性関係が派手なパガニーニですが、本作ではロンドンで出会ったシャーロットの歌声と媚びることのない真っ直ぐな彼女の心に打たれてか純粋に彼女に恋するようになります。
最終的に彼の恋は成就しないのですが、はっきりいってほっとした私。
あんな男の毒牙にひっかからなくてよかったよ・・・と。
ここまで主人公の恋を応援する気にならなかった作品も珍しいような。
ロンドンで女性たちからデモを起こされていたけど、やはり女の敵なのかパガニーニ。
実際にそうだったのかもしれませんが、彼の俗物的な面が強調され過ぎてしまったような気がします。
歴史に残る作曲家でありヴァイオリニストであったパガニーニ。
様々な苦悩を抱えつつも観客を魅了し、音楽を深く愛していたはずのパガニーニは、きっと魂を震わせる美しいなにかを持っていたはず。
少なくともきっと、音楽に関しては。
作中で「本当のあなたは誰なの?」と問いかけるシャーロットにパガニーニは答えます。
「音楽に生きる男」と。
欲望におぼれるに任せているかのような彼の姿の裏に垣間見える、音楽に対する真摯な愛情と情熱。
穢れを知らないシャーロットの美しさに惹かれた彼の魂の純粋な部分。
その点を描こうとしていたことはなんとなくわかるのですが、私にとってはいまいち心打たれるほどには伝わってこなかった。
それがもっと強く伝わってきていたなら、彼を拒絶していたシャーロットが彼に心を許し惹かれていくことにもっと共感できたような気がします。
**余談**
今回自宅で御年89歳の祖母とこの作品を観賞していました。
パガニーニの公演に訪れたイギリス国王に対し、パガニーニが敬意を表して国王に向かって演奏するシーンがあるのですが、祖母が一言「ああ、イギリスの国歌だね」と。
気づかなかったよー!! と衝撃。
私が聞いてわかるのは、日本の国歌とアメリカの国歌だけだよ。(私だけですか?)
祖母に妙に感心した一幕。
(ちなみにこのシーン、右手の弓とヴァイオリンでメロディを奏でながら、左手では弦を抑えつつ使っていない指で弦をはじくというすさまじいテクニックを披露しています。)
↓予告動画
難度の高い技法を駆使した曲を作曲し、超絶技巧と呼ばれるテクニックで観客を魅了したヴァイオリン奏者パガニーニを描いた作品。
以前に葉加瀬太郎さんがテレビでお話していた、パガニーニの逸話が印象に残っていて手に取りました。
確か、当時のパガニーニは今でいうロックスターのような感じで、派手なパフォーマンスでのライブを行い、失神するご婦人もいたとかそんなお話。(うろ覚えですが)
超絶技巧と言われるだけあって、ヴァイオリンに詳しくない私でも感嘆してしまうパガニーニの曲。
葉加瀬さんのお話もおもしろかったし、とりあえず入り口として映画でも見てみよう!ということで前から観たかった作品です。
結論から言うと、ストーリーは基本的にどうでもいいような。(あくまで個人的な感想です)
でもプロの奏者による演奏シーンは迫力たっぷりで一見の価値アリ!
だと思います。
パガニーニ役には欧米で絶大な人気を誇るという美貌のヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレット。
演奏シーンは全て彼が実際に演奏しています。
音楽を題材にした作品ではやはり演奏シーンは大きな見どころ。
特に超絶技巧は耳で聴くだけでなく、その卓越した指使いを目にすることでも技術の高さを実感することができます。
実際、デイヴィッド・ギャレットがその高い技術力でパガニーニの曲を見事に演奏するシーンはかなりの迫力があり、圧倒されました。
衝撃的なのは、作品の中で描かれたパガニーニの享楽的な生活。
肉欲にふけり、賭け事にハマり、お金の管理もできなければ約束も守らない。
賭けでは有り金をすべて使い果たし、ヴァイオリンを手放す始末。
公演のためにやってきたロンドンでは、彼の反道徳的な振る舞いに対して女性たちによるデモが行われるほど。
フォーマルな出で立ちの楽団員たちのなかで、肩より長い髪に黒っぽいロングコート姿で舞台に上がるパガニーニは明らかに異質です。
熱狂的なファンにもみくちゃにされたり、演奏中にご婦人が失神したりとまさにロックスターのよう。
デイヴィッド・ギャレットが美しく非常にセクシーなので、女性たちの反応にはものすごい説得力がありました。
葉加瀬さんが言っていたように劇中でも派手な演出を行うパガニーニ。
19世紀の人々にとって衝撃的な演奏家であったことは十分に想像できました。
映画を観賞後にパガニーニについて調べたところ、彼の作品はショパンやシューマンなど多くの作曲家に影響を与えたとのこと。
フランツ・リストも影響を受けた一人で、「僕はピアノのパガニーニになりたい」と語ったそう。
やはり超絶技巧で知られるフランツ・リストの有名な「ラ・カンパネラ」も、パガニーニの作品の編曲なのですね。
知らなかった。
もうひとつ観るべきは、ヒロインであるシャーロットを演じたアンドレア・デックです。
透き通るような白い肌。
若く可憐ながら、芯の通った強さを持つ彼女の美しさは輝かんばかりです。
今後もスクリーンで活躍することを期待します。
非常に難度の高いとされる技法を駆使したパガニーニの曲と、それを弾きこなした技術。
当時録音技術があったわけもなし、彼と同時代に生き彼の演奏を聴くことのできた人たちがうらやましいです。
しかし、現代にも素晴らしい奏者がたくさんいます。
彼らと同じ時代に生まれたことを感謝して、出来るだけその演奏に触れてみたいと改めて思いました。
この作品は、クラシックが好きな人、ヴァイオリンが好きな人、パガニーニに興味がある人、超絶技巧の迫力に圧倒されたい人、デイヴィッド・ギャレットの美しさに魅了されている人・魅了されてしまいたい人・・・にオススメします。
** 以下ネタバレします **
とにかく女性関係が派手なパガニーニですが、本作ではロンドンで出会ったシャーロットの歌声と媚びることのない真っ直ぐな彼女の心に打たれてか純粋に彼女に恋するようになります。
最終的に彼の恋は成就しないのですが、はっきりいってほっとした私。
あんな男の毒牙にひっかからなくてよかったよ・・・と。
ここまで主人公の恋を応援する気にならなかった作品も珍しいような。
ロンドンで女性たちからデモを起こされていたけど、やはり女の敵なのかパガニーニ。
実際にそうだったのかもしれませんが、彼の俗物的な面が強調され過ぎてしまったような気がします。
歴史に残る作曲家でありヴァイオリニストであったパガニーニ。
様々な苦悩を抱えつつも観客を魅了し、音楽を深く愛していたはずのパガニーニは、きっと魂を震わせる美しいなにかを持っていたはず。
少なくともきっと、音楽に関しては。
作中で「本当のあなたは誰なの?」と問いかけるシャーロットにパガニーニは答えます。
「音楽に生きる男」と。
欲望におぼれるに任せているかのような彼の姿の裏に垣間見える、音楽に対する真摯な愛情と情熱。
穢れを知らないシャーロットの美しさに惹かれた彼の魂の純粋な部分。
その点を描こうとしていたことはなんとなくわかるのですが、私にとってはいまいち心打たれるほどには伝わってこなかった。
それがもっと強く伝わってきていたなら、彼を拒絶していたシャーロットが彼に心を許し惹かれていくことにもっと共感できたような気がします。
**余談**
今回自宅で御年89歳の祖母とこの作品を観賞していました。
パガニーニの公演に訪れたイギリス国王に対し、パガニーニが敬意を表して国王に向かって演奏するシーンがあるのですが、祖母が一言「ああ、イギリスの国歌だね」と。
気づかなかったよー!! と衝撃。
私が聞いてわかるのは、日本の国歌とアメリカの国歌だけだよ。(私だけですか?)
祖母に妙に感心した一幕。
(ちなみにこのシーン、右手の弓とヴァイオリンでメロディを奏でながら、左手では弦を抑えつつ使っていない指で弦をはじくというすさまじいテクニックを披露しています。)
↓予告動画
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