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ヒミズ 「俺は立派な大人になるんだ!」 (ちょっとネタバレ) [邦画]

ずっと内容をよく知らなかったので、パッケージからホラー映画かと思っていた私。
(タイトルも意味が分からなかったし)

↓ ヒミズ パッケージ

ヒミズ [レンタル落ち]










しかし最近二階堂ふみさんが好きなのでヒミズも調べてみると・・・

ホラーじゃなかった!!

というわけで、DVDをレンタル。

胸に迫るものがありました。

役者さんたちや映画の作り手たちの情熱と気迫、ストーリーの緊迫感とで観た後どっと疲れました。

なんといっても、主役である染谷将太さんと二階堂ふみさんの演技が素晴らしいです。
ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞をこの2人が受賞したことも納得。

「俺はなあ、たまたまクズのオスとメスの間に生まれただけだ!だがな、俺はクズじゃねえんだ!俺はなあ、立派な大人になるんだ!」

この住田のセリフが(ちょっと違いますが)、映画を観ている間中頭の中に響いていました。


*ここから少しネタバレ注意

染谷将太さん演じる主人公の住田、そして二階堂ふみさん演じる同級生の茶沢は2人とも家庭環境に恵まれていません。
住田は父親には殴られ、母親には捨てられます。
茶沢は両親から「死ね」と言われているに等しい状況。

彼らのおかれている状況は、彼らが作り出したわけでも彼らに責任があるわけでもありません。
それでも、子供である彼らはそんな不条理な状況から簡単には抜け出すことができない。

先ほどの住田のセリフには、そんな過酷な運命の中にあっても道を踏み外すまいとする彼の決意が込められています。
それはもう、切ないほどに。

茶沢もまたそんな住田に惹かれ、自らの支えにしていたのだろうと思います。

そんな2人が辿っていく運命は、悲しく過酷です。

ラストは原作とは違ったものになったそうですが、そのことによって人間の脆さや儚さだけでなく、生きる強さを描いたものになったように私は感じています。

過酷な真実と住田と共に向き合おうとした茶沢、最後の最後に選択をした住田。
「ガンバレ住田!」と茶沢が叫びながら2人が走っていくラストシーンは泣けます。

また、ちょっとした役でも窪塚洋介さん、吉高由里子さんなど豪華俳優陣が出てくるところも見どころ。

ただ、暴力シーンもそれなりにあり、内容自体が重いのでそういったものが苦手な方にはつらいかもしれません。


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